１ システム開発前の状況

薬産業の多い富山において家庭配置薬卸商２社からＩＴ化の要望が既に出されていたが、小規模企業のためＩＴ化予算が多くない。パッケージでは、お客様の要望に沿ったきめの細かい要望には対応できないため、少ない予算でどうシステムを開発するかが大きな課題となっていた。

２ システム開発の経緯

ＩＴ化を図って経営効率を向上させたい地元の小規模企業が多い中で、お客様が望むＩＴ化を図るために、予算が少ない中でＩＴ化サービス（コンサル及びシステム開発・導入）を提供していくためには、各業界モデルプログラムを開発し、安価にシステムを開発し提供する仕組みづくりが必要と考え、家庭配置薬卸商向けのモデルプログラムの開発に至った。

３ システム概要

今回の開発システムは次の手順で開発した

（１）モデルプログラムの開発

（２）各家庭配置薬卸商の独自機能の開発

（３）各家庭配置薬卸商へのシステム導入・運用　

＜＜概要＞＞
【１】モデルプログラムの概要
　　　システムは以下の３階層から構成される

　（１）画面・帳票などの入出力媒体　　…　ハード

　（２）入出力媒体に対応するデータ（射影データ）

　（３）実際の取引データやマスタなどのデータ（実ＤＢ）
　　　モデルプログラムは、これら３階層をハンドリングするプログラム群から構成される。

【２】家庭配置薬卸商システムの機能概要（モデルプログラムの基本機能）

　（１）売掛管理　売上・納品書発行・請求処理等の機能

　（２）買掛管理　買掛（仕入）・支払い処理等の機能

　（３）問い合わせ　取引先や商品の情報の検索と更新機能
　　　お客様の負担を少しでも軽減できるように、クラウド環境で利用できるWebシステムとした。

４ システム導入後の成果

Webシステムと通常のスタンドアロン/クライアントサーバ型とのシステムの操作に違いがあり、当初はなかなか利用してもらえなかったが、修正を重ねようやく利用してもらえるようになった。
　成果とすれば
　（１）Webシステムで通常の伝票処理が可能になった

　（２）基本モデルプログラムから顧客様のシステムを作成できた

　（３）次のシステム開発では、より少ない工数で開発できることが期待できる

　（４）家庭配置薬卸商向けのＩＴ化支援が可能になり、営業的に優位性を持つことができる

５ 今後の課題

（１）システム的な課題
　　　Webシステムの操作性を高め、より安価に開発できるように、モデルプログラムをブラッシュアップする。

（２）営業的な課題
　　　紹介だけでなく独自でも販路を開拓すること、システム営業ができる要員を養成することが必要になってくる。

（３）システム環境の課題
　　　クラウドサービス提供会社の選定と協業をどう行うかが課題である。